しろさびの里 08 さび
さびが富岡町にやって来たのも ...
続きを読む
さびが富岡町にやって来たのも
当然しろと同じ2013年6月
ふたりは姉妹でした
一般的に さび柄の子は賢いと
そう言われているのが分かるような子
好奇心旺盛
さびはこの土地にすぐに順応し
狩りを始め
何でもひとりで始めることができ
しろはさびにくっついて
いろいろ学んでいたような気がします
さびは しろのお姉ちゃんという立場が
誰から見てもすぐに納得できる
そんなしっかりものの猫でした
さびの性格が少し変わってきたのが
2017年に入ってすぐの頃
子どもを2回出産してからです
まずは子どもたちが3カ月を過ぎると
寄せ付けなくなりました
母を慕って近寄る子供たちを追っ払うのです
そしてそれは しろにも向けられました
しろはさびが大好きだったので
一緒に居ようとしますが
さびはしろを攻撃するようになったのでした
子どもを独り立ちさせようとする母親
野性の世界ではよくあること
野性の心が残っていたさびには
当たり前のことだったのでしょう
妊娠しなければ
子どもを産まなければ
自然の中で暮らさなければ
避けられたことだったかもしれません
猫に関しては犬と違い
まだまだ自然に任せ
自由に外で生きる方が幸せだと
そういう考えでおられる方が多いです
確かに猫が野生動物だったなら
私も猫に関わることは無かったかもしれません
同じようにいたタヌキ キツネ ハクビシン
アナグマ アライグマ ネズミ イノシシなどには
手を出さないようにしていましたから
しかし猫は明らかに違う
野性を残すさびだって
人から餌をもらって生きていて
狩りが上手いといってもそれだけでは
生きていくことなどできない
野生動物から程遠い生き物なのです
でも
ほんの少し残っていた野性の心が
周りの猫たちの運命を変えてしまった
さびによって追い払われた子供や孫たち
どこへ行ったのか行方は分かりません
辛うじて私が保護した4匹の孫たちのみ
現在も生きています
しろも結局 行方知れず
さびは一人ぼっちになりましたが
それはさびが望んだこと
彼女は本能に従って
当たり前に生きたにすぎません
「ここはわたしのなわばり」
皆がいなくなった しろさびの里は
さびひとりのものとなり
さびはご機嫌で生きていました
野性の心を持っていたとはいえ
人間に対する態度は誰にも甘えん坊で
飼い猫そのものでした
私が撮影した さびの最後のカットの中の1枚
バイバイさび
また来るからね
そう呟いて帰ったのが最後の別れでした
さびは2021年8月1日亡くなりました
発見したのはしろさびを富岡町に
連れて来て下さったボランティアさん
病気で弱っていたわけでもないさび
誰かと戦ったのかもしれません
雨に濡れた身体の首のあたりに
少し血がにじんでいたような跡がありました
自然の中で生きていたことでの死
もし家の中で飼われていたら
ここでも たら れば が出てしまいます
それを言っても もはやどうしようもないこと
さびは自分の猫生を全うして死にました
それはきっと後悔など微塵もない
さびの生き方だったのでしょう
さよなら しろさび
当然しろと同じ2013年6月
ふたりは姉妹でした
一般的に さび柄の子は賢いと
そう言われているのが分かるような子

さびはこの土地にすぐに順応し
狩りを始め
何でもひとりで始めることができ
しろはさびにくっついて
いろいろ学んでいたような気がします

誰から見てもすぐに納得できる
そんなしっかりものの猫でした

2017年に入ってすぐの頃
子どもを2回出産してからです
まずは子どもたちが3カ月を過ぎると
寄せ付けなくなりました
母を慕って近寄る子供たちを追っ払うのです
そしてそれは しろにも向けられました
しろはさびが大好きだったので
一緒に居ようとしますが
さびはしろを攻撃するようになったのでした
子どもを独り立ちさせようとする母親
野性の世界ではよくあること
野性の心が残っていたさびには
当たり前のことだったのでしょう
妊娠しなければ
子どもを産まなければ
自然の中で暮らさなければ
避けられたことだったかもしれません
猫に関しては犬と違い
まだまだ自然に任せ
自由に外で生きる方が幸せだと
そういう考えでおられる方が多いです
確かに猫が野生動物だったなら
私も猫に関わることは無かったかもしれません
同じようにいたタヌキ キツネ ハクビシン
アナグマ アライグマ ネズミ イノシシなどには
手を出さないようにしていましたから
しかし猫は明らかに違う
野性を残すさびだって
人から餌をもらって生きていて
狩りが上手いといってもそれだけでは
生きていくことなどできない
野生動物から程遠い生き物なのです
でも
ほんの少し残っていた野性の心が
周りの猫たちの運命を変えてしまった
さびによって追い払われた子供や孫たち
どこへ行ったのか行方は分かりません
辛うじて私が保護した4匹の孫たちのみ
現在も生きています

さびは一人ぼっちになりましたが
それはさびが望んだこと
彼女は本能に従って
当たり前に生きたにすぎません
「ここはわたしのなわばり」
皆がいなくなった しろさびの里は
さびひとりのものとなり
さびはご機嫌で生きていました
野性の心を持っていたとはいえ
人間に対する態度は誰にも甘えん坊で
飼い猫そのものでした

バイバイさび
また来るからね
そう呟いて帰ったのが最後の別れでした
さびは2021年8月1日亡くなりました
発見したのはしろさびを富岡町に
連れて来て下さったボランティアさん
病気で弱っていたわけでもないさび
誰かと戦ったのかもしれません
雨に濡れた身体の首のあたりに
少し血がにじんでいたような跡がありました
自然の中で生きていたことでの死
もし家の中で飼われていたら
ここでも たら れば が出てしまいます
それを言っても もはやどうしようもないこと
さびは自分の猫生を全うして死にました
それはきっと後悔など微塵もない
さびの生き方だったのでしょう
さよなら しろさび