カテゴリ: 招き猫(おわり)
さよなら 9
お寺からの閉店要請は 余りにも突然のことで
花屋さんも困惑しておられました
去年 先代のご主人が亡くなっていることも影響があるようでした
先に奥様を亡くされても
猫たちがいたから頑張ってこられたと聞いています
猫が大好きで 捨てられた猫は絶対放ってはおけない
やさしいやさしいご主人だった
このご主人が猫を世話しておられたから
このお寺に猫が切れることはなかった
それを目当てに お寺を訪れる人もいたでしょう
先代のご主人とミック 許可を頂きましたので掲載させていただきます
猫を捨てた人間は許せませんが
こちらの場合はお役に立ったようです
暑い暑い 7月末日
山崎商店は
70年以上続いた歴史に幕を閉じました
それは どういうことかというと
このお寺から猫がいなくなるということです
ミック
彼女が 訪れる人々を
迎えることは
招くことは
もう二度とないのです
さよなら
(おわり)
さよなら 8
更新が遅くなって申し訳ありません
チビはいつもの場所 お店の看板の前で寝ていたのです
明らかに人間の不注意でした
花屋さんは ご自分を責めておられました
でももう どうしようもないことでした
ひとり残ったミックは
毎日 お店の周りを巡回
このお寺の「招き猫」役を一身に受けて
暮らしていました
用心深い子ですから
なかなか外では会えません
会えて写真が撮れた日は
気分も良くなったものです
それから3年半の月日が流れ
今年の7月に 久しぶりにお寺を訪ねました
というか 花屋さんをいつも訪ねていたのですが
店頭に貼り紙が
貼り紙と同じ一枚の紙を渡されました
そこには「閉店のご挨拶」とありました
内容は 創業70年以上、四代のご住職様とお付き合いしてきたことや
お客様への感謝の言葉が印刷されていました
閉店の理由は・・・ひとこと 「お寺様のご都合により 」とあります
まさか花屋さんが無くなるなどとは考えたこともなかったので
大変びっくりしました
では お供えの花はこれからどうするのか と尋ねると
お寺様側が直営でしたい とのこと
何かが動き出していました
お店の前の道を挟んで広い駐車場予定地
その奥にあった木々を伐採
お寺が変わろうとしていることは確かでした
さよなら 7
チビとミック
この二匹の猫がいて
この猫を目当てに寺を訪れる人が おられたと聞きます
何社もTVや雑誌の取材も来ました
2006年2月14日
世間がバレンタインで賑わっていた日
チビは亡くなりました
22歳
年齢からして病死であれば大往生 と言いたいところですが
事故死でした
当時 お寺に出入りしていた業者のトラックにひかれたのです
あまりにも残念な結果で
花屋さんたちは さぞかしお辛かっただろうと思います
チビも もちろん捨て猫でした
体が弱く病気がちで手の掛かる子だったと聞きます
人間に捨てられはしましたが 花屋さんのご主人に助けられ
22年間 まるで恩返しをするように招き猫の役目を果たし続けてきたチビ
さよなら チビ
そして
さよなら 6
そして
ナオスケが亡くなり
(なかなか撮れなかったチビとミックの2ショット)
(アメショーのナナとチビ)
ナナも病気で亡くなって
元気いっぱいのミックと お年寄りのチビの ふたりの時期が続きます
自分が捨てられていた お店の裏側も 今はもう遊び場になって
整備されつつある 駐車場予定地も ミックの遊び場のひとつ
チビは相変わらずお店の看板前で招き猫
私は このままずっと幸せが続くかと思っていました
さよなら 5
チビに招いてもらって それで終わりにするには何か寂しく
その後も 私はゆっくりとしたペースで お寺に通っていました
幸福の招き猫のお寺
行けば必ず猫がいて 癒される場所だったのです
2003年冬のある日 チビを飼っておられる花屋さんが騒がしい
何事ですかと尋ねると お店の裏に案内された
しろいねこが2匹 段ボール箱に入れられて捨てられていました・・・
体の大きさから言って もう子猫ではありません
2匹とも怯えて固まっています
この写真の状態で捨てられていたのです
ここ十数年は捨て猫はなかったそうでしたが
残念です
花屋さんと私は里親さんを さっそく探すことにしました
ひとり 私の仕事先の編集者の女性が名乗り出てくださいまして
この二匹の猫を見に来ていただくことに
しかし彼女が見に来た時には 一匹が脱走して花屋さんの建物の縁の下に
入って出てこなくなってしまっていました
女性は2匹とも引き取ることも辞さないつもりでしたが
数日たっても目処が立たないので
写真の後ろにいる方の猫を引き取ることになったのです
名前は白猫の「クロ」
冗談で私がつけた名前をそのまま使ってくださいました
現在は広島市で元気に暮らしています
そして残ったもう一匹は
結局 花屋のご主人が引き取られ
会えればラッキー 幸せがやってくるという 招き猫「ミック」になったのです
ミックは先輩猫チビを立てて 決してでしゃばらず
怖がりだった性格も克服し
元気に境内を走り回る子になったのです
さよなら 3
チビの撮影に通い始めて
すでに数ヶ月がたっていました
チビは カメラを向ける私を 嫌な顔ひとつせずに受け入れてくれます
チビは招きこそしませんが 参拝にお墓参りに来る人たちを
店頭で山門で 淡々とお迎えしていました
彼なりに 自分の仕事が分かっていたのでは なんてことを思ったりもします
そして
とうとう その日がやってきました
さよなら 2
この頃 渋谷方面の仕事が多かったので
自宅と渋谷の中間にある このお寺には通うのは容易でした
外に いつもいるのが このチビ
招き猫を再現できるのは この子しかいないと確信しました
通うのは容易なんですが・・・
当然 肝心の「招き猫スタイル」は なかなかしてくれません
それでも 色々な表情を撮らせてくれるので
気長に待つことにしました
撮るなら勝手に撮ってちょうだい って感じで チビにはお許しを頂いてました
きっと チャンスが来ることを信じて
さよなら 1
東京は世田谷にある 招き猫の由来があるお寺があります
あえて名前は出しません
その山門わきにある創業70年以上の お花屋さん
ここにはいつも猫がいました
私が このお花屋さんに通いだしたのは 2002年のこと
当時は 写真のチビと チャトラのナオスケ アメショーミックスのナナがいました
招き猫の由来がある場所ということで 捨て猫が頻繁にあったそうです
紹介した3匹も すべて捨て猫
花屋さんのご主人や ご家族は 可哀想な猫たちに一生懸命愛情を注ぎました
私が通った理由は リアル招き猫の撮影(笑)
動機が不純丸出しなのですが 是非撮ってみたかったのです
招き猫の話は 簡単に書くと
「山門にいた猫が通りかかったお侍を招いたことによって お侍は命拾いする」 お話
とにかく 山門から猫が招いているところ(顔を洗っているところ)を撮影すれば成功
こういう甘い考えで 私のお寺通いがはじまったのです