平壌に入って3日


北朝鮮政府の都合の良いものばかり取材させられて


いよいよイライラがつのって参ります



もっと生(ナマ)の生活が見たい


ありのままの北朝鮮を撮影したい という気持ちが


とうとうピークに達したのです

とはいえ


毎日スケジュールが決まっていて


その時間内はどうすることもできません


ならスケジュール外で動くしかない


という安直な結論に達した私は


早朝に動くことにしました





うちのとらまる




ホテル前の通り


たぶん当時の北朝鮮で一番の夜景








確かその日の合同取材は朝9時にロビー集合になっていたと思います


市内のいろいろ取材の日でした



私は6時に起床し


6時半にはロビーに下りていました


ホテルのフロントには2人の人間がいました



ホテル前の通りの様子を見に行くふりをし


外に出ることに成功







うちのとらまる




そのまま約200mくらい離れた場所にある


平壌駅に向かいました



道路はいつもきれいだと思っていたら


清掃車がいました


ゴミひとつ落ちていません


これはこれで すばらしいことでしょう


でも私が見たいのは一般の人々の生活









うちのとらまる





駅に到着しました




脱走者の立場なので あまりカメラをおおっぴらに出せず


要所要所の撮影になります



外から見る限り


人はそれほどいるように見えません




この国で鉄道はどういう使われ方をしているのでしょう


日本のように毎日通勤で使っているのでしょうか









うちのとらまる




近づいてみますと それなりに人がいます


通勤・・・という感じではありません


軍服を着た人も結構います












うちのとらまる


若いです 少年兵でしょうか


撮影されるのは嫌じゃなさそうでした


どこかの任地に行くところなのでしょうか


軍服が板についていないので 新兵さんでしょうね


これから厳しい訓練が待っているのかもしれません











うちのとらまる



構内に入ります


待合所で仮眠をとっている人たち


列車の本数が少ないことが伺えます




何枚かフラッシュを炊いても撮影を静止されもしないので 


だんだん調子に乗ってきました


そして改札の方まで入っていき











うちのとらまる




この写真を撮る直前


カメラを構えたら


どこからともなく背広を着た人間がフレーム画面の中に入ってきて


お年寄りなど 身なりのきれいでない人たち数人を


柱の影などに追いたて


写真に写らないようにするのです



さらに角度を変えて撮ろうとしても


同じように写真に写らないように追い立てます


荷物の上で眠っていた人も起こされていました



気持ち悪いのは 私には何も言わないのです


今まで「撮るな」「出て行け」は何度も言われた事がありますが


こんな経験は初めて


薄気味悪さを覚えて 駅での撮影をやめました










うちのとらまる




外に出て もうひとつ絶対行ってみたいところに向かいました


先ほどの背広の人間が後をつけているのではないかと


後ろを振り返り確認しましたが それらしき人間はいませんでした




ここは地下鉄


核シェルターにもなるというほどの深さがあります


通常より遅い感じのするエスカレーターで延々降りて行きます



ホームに降りた時


驚いたのは真っ暗だったこと


一般の人たちは かろうじて見える程度の明かりの中で


電車が来るのを待っています


やっぱり電気不足で節電をしているのだと


その証拠写真を撮ろうとした時(暗いのできれいに写せる自信はなかったのだけど)



駅員の女性が小走りにやってきて 撮影を静止しました


私は朝鮮語は分からないけど (というか日本語と関西語以外は分からない)


撮るなといっていることはなんとなく分かった



ああーだめか やっぱり撮影は無理かとあきらめかけた時


どうも駅員の様子がおかしいのです


しきりに手のひらを下に向け アピールしている


そう それは「ここで待て」と言っている動きだった


私が理解し うなずくと 駅員は安心した表情で闇の中に小走りで消えて行き


しばらくすると電気が点灯しだしたのです










うちのとらまる



そして駅員は誇らしげに さあどうぞといわんばかりの表情で撮影を促した


せっかくだから駅員さんも一緒に撮影










うちのとらまる



路線図









うちのとらまる



人が少し増えてきました









うちのとらまる




はいー 笑ってー


・・・・・・・・・・


ゼスチャーなどで一生懸命訴えたけど笑ってもらえませんでした


マニュアルには笑顔は載っていないのだろう きっと


笑わないだけで 責任感の強そうないい感じの女性だったんだけどね










うちのとらまる



撮影している間に何本かの電車が来ていた


本数はわりとあるように感じました



そのうち電車に乗ってみたくなり


我慢できずに乗ってしまいました


切符・・・


ない


ていうか 売り場ってあったっけ?


改札もよくわからない



でも乗ってしまった


後払いでなんとかなるかって感じ









うちのとらまる



乗ってしまった




この写真も勇気を出して撮った1枚


車内で写真なんか撮る人はいないだろうから



でもこの写真のおかげで 結構な数の乗客がいて


作業着 背広を着た男性(通勤っぽいですね)が いて


赤ちゃんをおんぶしたお母さんもいたことが分かりました


乗客たちは平壌で暮らしていること自体 特権階級の人たちなのでしょうが


その中でも庶民的な人々が地下鉄を利用しているのかな と思いました









うちのとらまる



帰れなくなると恐ろしいので


地下鉄に乗ったのは都心方向に向けてひと駅だけ



この駅のシャンデリアは消されていました











うちのとらまる




急いでホテルに帰らないと


帰りは歩いて帰ろうと思いました




あ そうそう


結局 お金を払うところはどこにもありませんでした


無賃乗車してしまった・・・













うちのとらまる




ホテルに帰る道すがら


生活臭のあるものを撮影しようと思いました





どこにいたのか 地上では背広の人間が待ち構えていて


今度は二人に増えていました


ここでも お年寄りを撮影しようとしたら 家の影に誘導して隠してしまうのです


気味が悪いですよ ホント



いや 今考えてみると ずっといたのでしょうね


自分では脱走した気分になっていましたが


最初から監視されていたのでしょう



日本の政府の一団と来ていたから 騒ぎにはならなかっただけ


これが個人で来ていたのだったら・・・行方不明になってたかもですね





でもホテルに帰って ガイドにはえらい怒られました


「そういう勝手な行動をするなら もうどこにも行かせませんよ!」


ちょっと怖かった・・・



ごめんなさいごめんなさいと謝り倒したので なんとか許してもらえました





ですので さらに取材は続きます(笑)











うちのとらまる
ご存知 首領様バッジ

おみやげに売ってたけど だーれが買うもんか