8月に入って(去年です)
そろそろコイを捕獲しなければいけなくなりました
台風のシーズンも来ます
3年前の多摩川が増水したときは
机が置いてあった場所である
堤防の下は部分は水没したそうです
この対岸や上流下流でたくさんの猫が流され
消えていきました

そして
対岸の大田区で行われる花火大会が もうすぐ行われます
この写真のコイが隠れ家にしている茂みは
花火大会の観覧席になる場所
とてもコイを置いておくわけにはいけなかったのです

おじさんは
増水したときのことを考えて
普段は堤防の下の草むらや テトラポットあたりにいるコイを
堤防の上に誘導することを決断したのでした

決断と たいそうに書いたのは
堤防の上は すぐにマンションの敷地になります
これまで河原猫が10匹以上いたときに
マンションの敷地内をうろつく猫たちに
かなりの苦情が出たのです
このままでは猫たちが処分されてしまうと
危機を感じた おじさんとボランティアグループの方たちが
堤防の下に机をおいて そこで給餌をし
猫たちを誘導した経緯があったのです
マンションの敷地内ではありますが
もうこのあたりを うろつくのはコイだけになっています
それももうすぐ捕獲する予定
少しの間なら 苦情もでないでしょう

それでも おじさんが餌を与える場所は
敷地の外になるよう注意しておられました
敷地内にいるコイを
呼んで外に出そうとしています

おじさんの気持ちにこたえるように
コイは敷地を出たところで ごはんを食べます
そして おじさんはコイが怖がらないように
少し離れて見守ります

いよいよ捕獲の日です
前日は失敗
おじさんのやりかたが やさしすぎたのです
今日は捕獲機を使って挑みます
コイには気の毒ですが 前日のごはんは抜いてあります
お腹へってるだろうなあ・・・
来週には花火大会
何としてでも捕まえないと

お腹がへっているコイ
おじさんの周りから離れません

ごはんをセットします
コイはガン見しています(笑)

「コイちゃん ここに入るんだよ」
おじさんが呼びかけます

入り口を通り過ぎたコイを
「違うよコイちゃん こっちだよこっち」

「そうそう ここから入るんだよ」
え? ここ?
語りかけるおじさんの声は
コイに通じているような気がしました

「ほら コイちゃん ごはんだよ」

お

おお
おおおー

ガシャーン
コイありがとう
よく入ってくれたね

「コイちゃん 怖くないからね」
語りかける おじさんも嬉しそうです
いや おじさんが一番嬉しいでしょう

つかまっちゃった・・・
コイはいつもポリポリ体を掻いていました
捕獲したコイに ノミ取り薬を滴下
なんと50匹以上のノミが落ちました
よくもまあ
そんな状態で生きてこられたものです
貧血になっていたのではないかと思うほどです
野良の環境は本当に苛酷です
でも もう二度と かゆい思いをすることはないのです
コイは程なく札幌へ旅立ち
そのおうちは 写真でしか知りませんが 猫の楽園 でした
一生懸命お世話してくださる里親さまです
コイは絶対幸せだったでしょう
そして1年と少しが経ち・・・
コイは死にました
さほど苦しまずに逝ったとのこと
きっと飼い主さまの手を煩わせないようにしたのではないでしょうか
偶然なのでしょうが ついそう思ってしまいます

トンボを目で追うコイ

殆どの野良猫は
誰にも知られることなく消えて行きます
しかし そんな彼らでも
それぞれが必死で生きていて
それぞれのドラマを持っているのです
私は たいそうなことはできませんが
自分の出来る範囲で
その子たちに何とか少しだけでも
手を貸してやりたいと思っています
おわり
コイお前のこと忘れないよ またね
コメント
コメント一覧 (6)
今年6月25日に亡くなったボスちゃんもね。
途中で消えてしまったチャーちゃんには
どんな物語があったのかな~。
おじさんやもうーすさんは優しいなぁ。
私も、たいへんな環境にいる
外猫さんを少しでも快適に過ごせるよう
頑張るつもりです。
コイちゃんの飼い主さん、ありがとうございました。
おじさん、もうーすさん、ありがとうございました。
コイちゃんが捕獲器に入った瞬間、私もパソコンの前で歓声をあげました。
みんなそうですが、お写真の中のコイちゃん、ボスちゃんも、すごく生き生きとしていて、もういないなんて信じられないです。
過酷さが伝わってくる中にも、確かにそこにいた命の輝きというか、強さや証が見えてきて、もうもう胸がいっぱいになります。
本当に、皆それぞれ懸命に生きて、それぞれのドラマがあるのですよね。一匹一匹が本当に愛おしく尊いです。
河原猫さん達の記事を拝見して胸を打たれ、私も野良猫に何かできたら…と思い、行動し始めました。
たぶん、河原猫さん達の姿に動かされた人は他にも沢山いると思います。
ずっと忘れませんし、ずっと忘れられないと思います。
コイちゃん、お疲れ様でした。本当にありがとう。
です。コイちゃんは幸せだったと思います。
素晴らしい飼い主さまの元旅立ちましたね。
ボスもいなくなり・・・さびしいですが、これも
運命です。最後は暖かい所で飢えずに
虹の橋にいけました・・。
合掌
せめてそんなに苦しまなかったのならよかったです。
暖かいお家の中での暮らしも経験できたのは幸せでしたね。
今頃は元気な体でボスくんやコトラちゃんと走り回ってるかな?
ご冥福をお祈りします。