写真集にも出ていた


この子


覚えていらっしゃいますか












うちのとらまる



去年の5月


山の中で家が3軒しかないところにいた猫でした


オスで体は大きく


何匹もいる中では たぶんボス格だったと思います












うちのとらまる




妙に人馴れしていて


愛嬌があり


気になる猫でした




当時はまだ保護枠があったものですから


捕獲することにしました












うちのとらまる



人を疑うことも知らず


簡単に捕獲器に入ってくれ


入っても暴れることもなく


余裕の表情









東京に戻り病院に行って落胆


彼は エイズ白血病のダブルキャリアだったのです


これでは一時預かりさんも里親さんにしても


多頭飼いしている お宅にはお願いできません


エイズはともかく白血病は感染し易いから


なんとか1匹飼いしていただけるところを見つけなければ








やがて


ボランティアさんたちの尽力で


この子だけを面倒見ていただけるお宅を見つけ






「ぼん」と名付けられ第二の猫生が始まったのです














うちのとらまる




里親さま(=一時預かりさま) になってくださったのは


一人住まいの男性の方



ぼんちゃんは不自由のない


快適な環境を与えられ幸せに暮らしていました









しかし








今年に入ってから少しずつ調子が悪くなり


ぼんちゃんは とうとう白血病を発症してしまったのです











うちのとらまる




体は痩せてゆき


口内炎がひどくなり食事もままならず


ボランティアさんも応援しながら 


里親さまも お世話を続けます








3月


私の携帯電話が鳴りました


出てみると ぼんちゃんがいた地区の住民の方でした


なんと保護した時に残してきた


私の携帯番号を書いた


張り紙を見たといいます






さっそくぼんちゃんを見舞う約束を取り付け


再会が叶ったのでした 















うちのとらまる



「この子はうちの子ではないの」


「でも この子はとても思い入れのある子」





飼い主さんだとばかり思っていましたが


本当の飼い主は隣人だったそうです











うちのとらまる



あの地区では何人ものボランティアさんが もう20匹以上保護していますが


まだ残っているほど猫が多い地区


その猫を飼っていたのは3軒しかない家の1軒だけだったそうです


TNRが浸透していない地方の猫の飼い方


餌だけを与えていたのでこうなったようです




今回 会いに来られた方は


自分に懐いている数匹の猫を避妊去勢し


独自に可愛がっていおられたのです




ぼんちゃんはその中の1匹だった











うちのとらまる




会えてよかった・・・





足立区で借り上げアパートにお住まいの元お世話されていた方


動物を飼うことは禁じられています


それもそうですが 白血病を発症した今


住む場所を変えるのも体に良くないに決まっています




里親さまのご好意により


このまま継続して飼っていただく事になりますが・・・


病気の進行は 思ったより早かったのです











1ヵ月後




ぼんちゃんは 静かに息を引き取りました








うちのとらまる




最後の最後に


お世話をしてもらっていた方に会えたのは奇跡です





ぼんちゃんは結果的には亡くなりましたが


実質飼い主さんにも会えて


餓死でもなく看取る人もいて




たった1年でしたが 彼は幸せだったに違いないと思いました





バイバイぼんちゃん


君の姿は本に残ったよ


出演してくれて ありがとね