香港で私を取材してくださったメディアの殆どの方々に  


聞かれた質問があります  


                                             

                                              

                                                       



福島で撮影された写真の中で 一番印象に残っている写真は何ですか







この質問には本当に困ってしまうのです


どれもこれも衝撃を受けて撮影したものですからね


でも あえてというならば・・・ 


私が初めて見た牛舎で撮影した


一連の写真だと告げました









あの牛舎は


今まで進んで知ろうとして来なかった現実を突きつけられ


そして 人間や生物が 「生きる」 ということはどういうことなのか


その他にも さまざまなことを強制的に考えさせられ


身悶えするほどの苦しい気持ちになった場所なのです





その牛舎には 2011年の6月に最後に行ってからは


前の道を通ることはあっても一度も訪れていませんでした


なぜなら この牛舎は私にとって


「罪の場所」 だったから



何度か牛を生かすために通いはしましたが


自分がした行動が


結果的には牛たちの命を奪ってしまったこともあった


そして結局は最後まで世話を出来ず


牛たちを見殺しにした場所


そういう場所だったのです














今回


香港のTVチームに


私が撮影した牛舎を 是非案内して欲しいと言われ


勇気を出して行くことにしました





ここの牛たちは 


希望の牧場にいるガガを残して


すべて死んでいます













苦しんで 苦しんで死んでいったのです














お互いの体から出る汗を舐めあっています


餓死や渇きによる死が どれほど苦しいか


私には想像もつきません













本当に牛は泣いていました


泣いていたんです














きれいに片付けられてはいましたが


あの頃の悲惨な情景が私には見えました


そして必死で啼いていた声も聞こえた気がしました















私にはどうすることも出来ませんでした


家畜は あまりにも大きく 重く 数が多かった


助けたい 助けたい


でも


素人が何とかできるものではないと


この時 思い知ったのでした



しかし 同時にこの悲劇を


なかった事には絶対させないと心を決め


撮影し発信することを誓ったのでした





現在 20キロ圏内で生かされている牛は 約700頭


お金を生まない この牛たちがどれほど生き残れるか


すべては農家さんの肩にかかっています