福島に行って希望の牧場にたどり着くのは いつも夕方




これは

猫のための給餌活動と「えさ台」のメンテナンスをすべて終えてからになるから
(といってもいつも時間切れですべて回れない)

20キロ圏内は未だに9時から16時までしか滞在を認められていないのです





しかし 希望の牧場は20キロ圏内にありながら--   

ん?

なんでいつまでも居ていいのだろう(笑)





と とにかく いつも16時までは猫のためにひたすら動いているので

特に希望の牧場に用事がない場合 行くのは17時くらいになってしまうのです








(これは昨年撮影)




今の季節

たくさん雨が降って 

その後 からっと晴れたら牧草はぐんぐん伸びます

毎日の牧草ロールが10個必要なら この季節は7個で済むのです



豊かに繁る牧場一面に生えた牧草は 食い負けする牛にも

世話をする吉沢さんにも とてもいい季節なのです













夕方になると まだ少しだけ冷える福島

ストーブを点け 缶コーヒーをいただく

作業を終えた吉沢さんと 話すことができました














話題は多岐にわたりますが

今回は斑点牛に力が入っています


















なぜ白斑が出たのか

昨年から大学や農水省の調査が入っていますが原因不明

ストレスによるもの という結果を出した調査チームもいますが

何のストレスかっていう所までは分からない

もちろん被ばくが原因ということも分からない状況なのです

しかし 何がしかのことが ここで起きていることは間違いない

現在も引き続き 

斑点牛の調査を複数の大学関係研究機関がしているところです







わたしの関心は この活動をこれからどこまで続けるのか

それを機会あるごとに尋ねますが


「そんなことは分からないよ」

「やれるだけやるんだよ」


という返事しか頂けない

そう この先のことなんて誰にも分かりません

ただ今を何とか乗り切ることを考えて前に進むしかないのです





さらに 先日ふと思ったことを聞いてみました

ちょっと意地悪な質問ですが聞いてみたかったのです




震災以前の通常状態なら 牛たちはどれくらいの期間で出荷になるのでしょうか


「そうだね だいたい30ヶ月ってところじゃないかな」


2年半ですか・・・

震災が起きて3年と3ヶ月

本来なら種牛を除き ここにいる牛たちはもうすでにいないことになりますね


「まあそうなるね」


そう思うと牛たちはもう【本来】の寿命以上生きている

ということは今生かすのを諦めたとしても

牛たちは通常よりも長生きできたということになりますね

これはこれで素晴らしいことですよ



「んーそうかな・・・」



吉沢さんは この話にはこれ以上乗ってこられませんでした











吉沢さんの願いは ただひとつ

被ばくした牛たちを出来るだけ生かし続け

原発事故によって流浪の民となった双葉郡の人々

双葉郡の地の未来を考え

そもそも原子力発電が本当に必要なのかを 人々に問い続けたいのです

それこそ私が最初に思った【なかったことにされたくない】

この想いで牛を生かし続けておられるのです






今 生きている牛たちが【本当】の寿命を全うできるように

私はこれからも応援していきたい

それが飢えと渇きで苦しみながら死んでいった

2000頭以上の牛たちへの

ほんの少しの供養になるのではないかと思っています