ちゃーしゅうがどこで生まれ
 
どう生きてきたのか
                                             
                                             
                                             
それが分る術はもうありませんが

多摩川河川敷に住んでいる河原猫たちは

捨てられたか

それとも捨てられた子から生まれたか

そのどちらかで間違いがありません



私が ちゃーしゅうに初めて会ったのは

2020年の8月5日

この年の3月から多摩川に行っていたのですが

ちゃーしゅうに会うまで5カ月もかかるほど

表にはそれほど出て来ず

河川敷の藪の中で過ごしていたようです





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初めて会った ちゃーしゅう

もちろんこの頃は

名前はちゃーしゅうではありません

薄い茶白猫で

静かな雰囲気の子でした

年齢は8歳以上であることが

のちの病院の診察で分かることになります



ちゃーしゅうがご飯を貰っていたのは

この辺りで最長老のホームレスさん

猫が好きで近隣から猫を集めてくる人

いわゆるホーダーっぽい人で

猫のお世話を仕切れないのに

拾ってくるものだから

ちょっと困った人ではありました

しかし ほいほい引き受けるのをいいことに

おじいちゃんに猫を丸投げする

人間もいたのです

おじいちゃんは猫たちを一生懸命

面倒をみようとしますが

どうしても行き届かず

死んでいった子猫たちもいます

周りの猫好きのホームレスさんたちも

協力しようとしていましたが

これまた行き届かなくて

周りを巻き込み困っておられていたのです






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そんなところで ちゃーしゅうは

おじいさんが置くカリカリや

たまに貰えるパウチなどを食べて生きていました



日陰で寛いでいた ちゃーしゅう

一見 平和そうに見える風景

かわいそうな境遇の猫ではありますが

問題があるホームレスさんとは言え

お世話をする人が居て飢えることもない

こういう暮らしもありなのではと

勘違いしてしまいそうになります

しかし多摩川河川敷で生きることが

どれほど過酷な事なのかをすぐに思い出します

この前年の10月には

令和元年大型台風によって多摩川は氾濫し

ちゃーしゅうは生き残るため

壮絶な戦いをしていたのです





Hさま提供動画


長年 猫のお世話をされていた

ホームレスの高野さんがこの濁流にのまれ

2年が経とうとしている現在も行方不明のままです

そして一緒に流された たくさんの猫たち




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そんな中で ちゃーしゅうは

木にしがみつき生き残ったのでした




この辺りで生き残った

ちゃーしゅうを含む10数匹の猫たちが

また台風が来て流される猫が出るのは

耐えられない

しかも追い打ちをかけるように

かれらの命を救った「命の木々」が

川幅拡張工事で

伐採されることになるというのです



このままにしておけない



そう思った有志が集まり

猫たちを河川敷から

救い出す活動が始まったのです






スモールちゃーしゅう
ぼくは ちゃーしゅう
おじいちゃんにおせわになっていたんだ