つづきです
                                               
                                              
                                             
                                               



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すっかり甘えちゃってるキドくん








そう

キドくんと おーあみさんとの出会いは

6年前

2011年5月6日 午前7時半ごろでした









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この年の4月22日には

福島第一原発20キロ圏内は警戒区域に設定され

国道などの通常ルートでは入れなくなり

私たちは警備が手薄な山越えルートを地図で発見

未舗装で車同士のすれ違いも困難な山道でしたが

このルートを選んだおかげで楽々進入でき

キドくんにも出会えたわけです








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川内村から楢葉町に注ぐ木戸川は 鮭の遡上で有名です








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山を越え 道も舗装されてきて

あと少しで街中というところに

地震によると思われる崖崩れがあり通行止め








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そこにひょっこり犬が現れたのです

犬は二頭いたのです

しかし もう一頭は臆病だったのか

私たちの前から姿を消しました







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残った犬を行かせてなるものかと

おーあみさんは おやつを使いおびき寄せます

しかし おやつが目当てというよりは

この子は人恋しくて近づいてきた感じがしました



あとは ぴょんとジャンプして

鉄板の上まで来てくれればいいのですが

この溝がどうしても超えることができません







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しょうがないので おーあみさんは

まずは犬側に行き

逃げられないようにロープを付けて








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よいしょ



抱っこして手前に持ってきてやりました

沢を歩いてさまよったようで

脚は濡れていました

怖いのか寒いのかガタガタ震えています






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逃げてしまった もう一匹を気にしつつ・・・



犬はロープを引っ張っても動こうとしない

またまたしょうがないので

抱っこして車に移動することに







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暴れることもせず

本当に大人しく身を任せています

震災からすでに約2か月が経っています

2か月ものあいだ この子はどうやって

何を食べて生きていたのでしょう

犬は間違いなく人とともに生きていたのです

ずっとずっと人間を待っていて

やっと迎えに来てくれた安堵から

歩けなくなってしまったのだと思いました




これが この犬キドくんとの出会いだったのです



(残念ながら逃げたもう一頭の犬とはそれっきりです)








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里親さんご夫婦

おーあみさんに囲まれて

定位置のソファーで満足げ

このお宅はキドくん中心で回っているようです








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最後に記念写真を撮っていただきました




おーあみさんと私たちが帰ったら

涼しくなった外で散歩の時間

震災から6年

キドくんの辛かった思い出が

ここ横浜の幸せな生活で

上書きされていることを願っています



こうしてキドくんの保護記録を残せ

そして幸せになったところまで撮影できたのは

私にとって最高のご褒美で

こんなにしやわせなことはありません

福島だけに限らず

助けを必要としている動物はたくさんいます

その子たちのために

できることをこれからもして

皆さんに報告していきたいと思います